タンポポの根

女鳥羽川通いが日課になっている。河原で声を出したり(←今は休んでいるが)石を拾ったり。趣味が、とにかくお金のかからない方向に進んでいる。


「たんぽぽの根っこはきんぴらにすると美味しい」

河原で満開のタンポポを眺めていたら、ふと、どこかで聞いたそんな情報を思い出した。

知識として以前から知ってはいたが、ここにきてはじめて試してみる気になったのは、よほどやることがないからだろうか。



いざ思いたって掘ってみたものの、手掘りではまったく歯が立たなかった。河原の粘土質の土と根の深さ、想像以上だった。



翌日、家にあった100均のスコップを持参してリベンジ。今度は土が固くてスコップの方が曲がってしまった。
100均の商品はいいものも悪いものもあるが、スコップは明らかに外れ。



翌日、ケーヨーD2でスコップを購入。武骨な金属一体形成の、まさに「プロ仕様」という雰囲気で160円だった。

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買ったその足で河原へ向かう。スコップは曲がらなかったものの、土の硬さとたんぽぽの根深さは想像以上で、途中までしか掘り出せなかった。なにか「根性」という言葉の意味を体感したような気がした。完全な状態で掘り出すのは、それこそ根気がいる作業だ。



なんとか掘り出した何株かの根っこの切れ切れを、女鳥羽川で軽く洗い、持ち帰る。
川で洗いものなんて、日本昔話の世界だけのことだと思っていた。



流しで改めて泥を落とし、薄く切る。
ゴボウのように油で焼く。ゴボウのような香りの変化を待っているうちに焦がしてしまった。



翌日リベンジ。焦がさないように気をつけて焼く。素材の味がよくわかるように、シンプルに塩をかけて食べた。

はじめてなので成功か失敗かはわからないが、間違いなく、アリだ。苦味が特徴的。もっと食べたくなった。





以降、街でタンポポを見かけると、これだけ大株だと一食分はいけるな、とか、掘りやすいかな?とか、以前と違う視点で眺めている自分に気づく。

春のうちに、掘りやすい狩り場を見つけたい。