アレクサンダーテクニークの本がためになった

はじめてボイトレの本を読んだ時、レベルが高すぎて、書いてあることの意味すらわからなかったのを覚えている。

 

腹式呼吸」とか「〇〇(体の部位)に響かす」などの感覚的な表現に終始していて、それが具体的に何を指しているのかが、全然理解できない。

 

今にして思えばこれらの本は、はじめから、ある程度センスがある人が読む本なのだ。

 

「〇〇に響かす」とか言われて「あぁ、この感覚のことね」と、ある程度暗黙でわかってるような、はじめから歌が得意な人が読むための本であって、自分のような最底辺レベルの人間は、ボイトレ以前の、もっと根本的なところからスタートしないと駄目だと思い至った。そしてその試行錯誤が鳩山メソッドをでっち上げるに至る。

 

 

 

時は流れ、声の出し方より、声を出す体自体に意識が向いている今日この頃、素晴らしい本に出会った。

 

 

 

歌い方のハウツーは自分にとって役に立たなかったので、他ジャンルの知識から、体そのものの扱い方を学んでいたのだが、この本を読んだら、歌、音楽演奏に特化した部分の体の扱い方が、惜しげもなく書かれていた。

これを読むのと読まないのは、はじめての精密器具を、説明書を読んでから使うのと、読まないまま使うくらい違う。

以前の自分が理解できなかった声や呼吸に関する感覚的な表現も、具体的に何を指しているのかを、解剖学的な見地で説明してくれていて、非常にスッキリした&ためになった。まさにあのときの自分が求めていた内容だ。

 

、、と言いつつ、当時も読むことは読んでいた。ただ、実践には活かせなかった。機が熟していなかったという事だろう。

必要性がないと情報は身に入らないし、逆に必要性があれば情報は目の前に転がっているのだなと実感する。