技術以前の、身体能力で音楽をする

ピアノ、小指は他の指達から離れないように、なるべく薬指に添わすようにすると、楽々動かせることに気付いた。

ピンと伸ばすと腕が力んじゃうので、少し曲げ気味くらいにしといたほうがいい。スラップベース奏者みたいに反り気味にピンと伸ばして使う親指とは、だいぶ扱い方が違う。

 

指の扱いの学びは、ダイレクトにギターにも活かされる。何を行うにしても、いかに上手に体を使うかの練習として行えば、体を使う全てのことに活かされると思うのだ。

 

 

気づけば、ギター速弾きとか、高い声を出すとかの専門技術より、それらを行うための根本的な身体能力にばかり興味がいくようになった。

 

思い返せば、俺が音楽に夢中になるきっかけとなったブルースマンたちは、たいていマルチ奏者だ。楽器も歌も両方やる。謎にピアノのレコーディングを残しているギタリストも数多い。

ブルースに限らず、黒人音楽を見渡せば、多芸を極める超一流ミュージシャンは枚挙に暇がない。JB、プリンス、スティービーワンダー、シャカカーンなどなど。

 

この事実は何を示しているのだろうか。彼らが、各々のジャンル専用のテクニックではなく、それ以前の、身体能力で音楽をしている証拠なのではないだろうか。ジェームス・ブラウンが、発声とダンスそれぞれの専門教育を、しかるべき教育機関で受けていたとは想像できない。

 

自分もそういう音楽に魅力を感じてしまっている以上、そういう音楽を、この時代に生まれた日本人なりに、目指していこうと思っている。