島崎智子さんのこと

いい音楽ほど矛盾を孕んでいる。だから、いい音楽ほど言葉にするのは難しくなる。

そう思っているので、人から音楽情報を聞くときも、何を言っているかではなく、誰が言っているかで参考にしたりしなかったりしている。

春に、尊敬する弾き語りの松浦みなっちゃんと藤元弁護士から、ほぼ同時に「島崎智子さんはすごい」という話を聞いた。示し合わせたようなタイミングに啓示的なものを感じ、こりゃ近々観よう、と思っていたところ、観に行くより先に、島崎さんが、夏の俺のライブに遊びに来てくれた。

こりゃいよいよ観に行くしかないと、観にいった。果たして凄かった。
あそこまで自分をさらけ出すことが、どれだけ勇気のいることか、俺にも少しはわかるので、こんな人が目の前に実在しているという事実だけで、こっちの生きる力がグングン湧いてくるような、圧倒的な存在感だった。(そしてそのグングン湧いてくる感は、2ヶ月経った今も続いている)ピアノの前に座る横顔の佇まいを見ているだけで、来て良かったと思えた。


存在感と同じくらいパフォーマンスも歌も凄かった。まるで真っ裸とでも言いたいようなさらけ出し加減に思わず笑ってしまったが、笑った後にふと我に返った。笑っている俺は、じゃあ服を着ているのだろうか?いや、俺だって実際は真っ裸ではなかろうか。自分ではさらけ出しているつもりはないけど、自分の中のいいものも悪いものも、勝手にさらけ出てしまっているのが現状だと思う。周りの人は多分みんな気付いている。気付いていないのは自分だけ。まるで裸の王様のようなありように思い至った。

自分は服を着ていると思い込んでいたら、いつまでたっても裸のままだ。自分は真っ裸だと自覚してるからこそ、はじめて、自分の体に似合う素敵な服を、自分で選ぶことができる。島崎さんの魅力は、そこにこそあるんじゃないだろうか。ただ裸なだけなら、赤ちゃんか変態である。


そして、真っ裸を自覚することを、言葉を変えて言うなら、最近よくブログに書いている「分裂していない自分になる」ということだと思う。島崎さんとは、こっちの勝手ではあるが、出会うべきタイミングで出会った感を強く感じている。


そんな島崎さんと、11月に、ツーマンライブをします。山梨に引っ越して以来、去年の小浜田さんとのライブ、に角すいに誘ってもらったライブと、出る自分が一番楽しみな、最高のライブばかりなことに幸せを感じている。夏のライブに引き続き、今回も新イモを沢山準備してお待ちしています。(今度はサツマイモ)
どうぞお楽しみに!




11月13日(火) 会場 高円寺ウーハ(高円寺駅徒歩5分) 開場19:00 開演19:30 鳩山浩二 島崎智子 2500円+ドリンク(500円) 会場hp http://coffeeuha.web.fc2.com/index.html <