指を上げる意識で弾く

親指はいつでもスラップベース弾くときみたいに反り気味なくらいピンと伸ばしたほうが良さげ。親指が曲がってると腕に緊張が走って疲れる。親指伸ばすと白鍵を叩くのが難しいけど、そこが工夫のしどころ。

 

親指はなるべく他の4本の指と寄り添っていたほうが良い。親指と小指の腹を近づけるようなイメージ。親指が4本の指から離れると、手のひらの膜が張って、他の指も自由に動かなくなる。

 

 

筋反射という概念を教わった。筋肉は伸びれば自動的に縮むし、縮めば伸びる。この働きを利用して、なにか動作をする際、最初にあえて逆の動きをすることで、筋肉の反射を使って体を動かす、らしい。出す前に一瞬引いて、速いパンチを打つ、みたいな。

筋反射は無意識の動きなので、これを活用できるようになれば、うんと少ない力で、素早く体を動かせるようになる、という理屈だ。

 

この理論をピアノに活かすべく、鍵盤に指を下ろす意識ではなく、鍵盤から指を上げる意識でピアノをひいてみた。筋反射が使えてるかはわからないけど、指を下ろす意思で弾くのとは全く違うフィーリングになった。最小の音を、1音づつそっと置いていくような弾き方が、とてもしやすい。(しかしこの弾き方は、電子ピアノの音色の情味のなさが浮き彫りになる)

 

和音も、上げる意識が役立つ。上げる意識で弾くと、音を出したあと、そこからさらに鍵盤を押す時間が少なくなるので、手や腕の脱力化が進む。鍵盤は、一度音が出たあとはいくら強く押しても音は変わらないので、理想を言えば、叩く瞬間だけ力を入れればいいのである。

 

和音を連打する際は、この脱力がとても役に立つし、降ろす意識で弾いていると、和音の移動が間に合わなくなる。指を下ろそうと意識しないでも、音を出そうとすれば指は下ろすので、意識するだけ時間のムダになる。

 

和音の連打を続けるうちに、複数の和音を移動する際は、今弾いている和音の最中から、次の和音に意識を飛ばしている必要があることに気づいた。和音弾いて、弾き終わって、次の和音に意識を向けて、次の和音を弾く、だと、手の移動が追いつかない。

 

意識を先の音にも広げて、指は上げる意識で、音を出したあとは手は柔らかくして鍵盤は押し込まず、鍵盤上の平行移動は指ではなく腕に任せる。そうやって意識を変えるだけで、弾けなかったフレーズが弾けるようになる。こーゆー発見が楽しい。