直接脱力はできない

口を開けなくても声は出せることに気づいた。

正確にいうと、口を開けようと意識しなくても声は出せることに気づいた。

意識しなくても、声が出ている時点で、口は開けられているのである。

むしろ口を開けようという意識が、あごに余計な力みを生み、喉を楽にさせたまま声を出すための力の発動を邪魔していることに気付いた。


口を開ける事を意識しないかわりに、喉を楽にさせたまま声帯を引っ張る力に意識を置く。

その結果無意識になった口は、余計な力が抜け、その時々、ちょうどいい分だけ、自動で、開くようになる。
 


脱力は直接はできない。いくら「抜け」と言われても、「抜こう」という意識自体が力みになってしまうという矛盾に陥る。

脱力は、別の力が入るべき場所に力が入ることで、間接的に起こる。

対案のない反対意見には、事態を変える力はない。ボイトレをすると、それが体でわかる。