練習は楽しい

人差し指と中指を脚に見立てて、交互にトコトコ歩くように弦をはじくフィンガーピッキングを試している。
これがなかなか難しい。

二本の指を交互に動かすだけだから簡単なはずなのだが、弦を跨ぐフレーズを弾く際にこんがらがったり、左手の動きにつられて、つんのめってしまう。


ギターの何が難しいかと言えば、右手と左手を別々に動かすことが難しい。
まず無意識にはできない。

しかし難しいだけに熱中していると、そのうち頭の中のおしゃべりが止まりだす。その瞬間が好きでギターを弾いている。

そして、頭の中が静かになりだすと、自ずと弾き方が見えてくる。
今回で言えば、弦を跨ぐ際には、指だけ動かして弾くのではなく、手をまるごと動かすと、こんがらがらないことに気付いた。


練習とは、難しいことを頑張ってできるようにすることではなく、難しいと思っていたことは、実は簡単なことだったんだと気付くための行為だ。

言い方を変えれば、できないことをできるようにする、というより、できないと思っていたことは、実はできるんだ、ということに気付くためにするのが練習だ。本当にできないことは、そもそも認識すらできないと思う。


人差し指と中指で交互に、トコトコ歩くように弾く