体の使い方自体を開発するのが1番コスパの高い練習法だと実感する

ボイトレ本の教科書を一旦脇に置いて、「より響く」「より呼吸に乗る」「喉が痛くならない」という、自分の中にある間違いようがない感覚だけを頼りに、一からでっち上げていった発声法「鳩山メソッド」


より響く姿勢を求め続けた末に発見したのは、自分の体の歪みだった。

このメソッドは、歪んだ体を歪んだなりに響かせてはくれるのだが、歪みそのものを解消する力は持っていなかった。


この壁に直面し、今度は鳩山メソッドを一旦脇に置き、体の歪み自体を解消することを目標に、再び試行錯誤をはじめた。



しかし歪みを解消するといっても、一人でそれをやるのは難しい。
理由は二つある。


一つは、長年歪んでいるせいで、歪みと一体化してしまい、歪んでいること自体に気づけなくなっている点。


もう一つは、体は全てのパーツが連動しているという点。

ある部分の歪みの原因が、その部分にあるとは限らない。例えば肩こりの原因が、食べ過ぎだったりする。その複雑な因果関係を辿って根本原因に行き着くのは、素人にはなかなか難しいところがある。





さてどうしようと思案したが、問題意識を持つというのは大事で、20年前に読んだ本が、今になって啓示の書となった。



改めて読んだら、今の自分が進むべき道と進む理由、進むための具体的方法、そして進んだ先に見える風景までが書かれていて、まさに今の自分にジャストな本だった。以前読んだ時も感銘は受けたものの、実践には至らずじまいだった。20年かかって、機が熟したのだ。



体が歪む原因は、癖になった無理な体の使い方にある。
ということは、理にかなった体の使い方を癖づければ、歪みは解消される。


理にかなった体の使い方。一言で言えば末端の力ではなく中心の力で体を動かすという事だ。


この本を参考に中心の力を開発していくうちに、確かに歪みが解消される道筋が見えてきた。


まず、中心がわかってくると、それを軸にして、どこが歪んでいるか自分で認識できるようになる。

そして、歪みの原因がどこにあるかわからなくても、中心の力の道筋ができていけば、自ずとその周辺も交通整理されていき、果ては末端まで及ぶ。





発声法から、体自体の使い方へのシフトチェンジ。果たして効果は絶大だった。今までは頑張って声を出していたが、頑張らないでも声が出る体になってきた。



それだけではない。副産物としては、ギターも上手くなった。
考えてみれば、声を響かすのもギターを弾くのも、使うのは体だ。体を上手に使えるようになれば、ギターも上手になるのは当たり前なのだが、全く期待していなかっただけに、その効果に自分でもビックリしている。



体が奥が深い。使えば使うほど、もっと上手な使い方が見えてくる。


やればやるほど自分のレベルの低さを実感するって感じなのだが、レベルアップした時の嬉しさは、レベルの高い低いに関係ない。その楽しさに引っ張られて試行錯誤を続けている。