ポリヴェーガル理論とは

ポリヴェーガル理論は、自律神経の新しい地図だ。

 

これまで自律神経は、長ーい間、交感神経と副交感神経の二つの働きしかないと考えられてきた。

 

しかし30年ほど前、よくよく調べると、副交感神経の中には働きの全く違う2つの経路があることが発見された。

その発見に基づき、人間の自律神経は、交感神経と2種の副交感神経、計3種類の働きがある、と提唱したのがポリヴェーガル理論だ。

 

 

「ポリヴェーガル」を日本語にすると「二つの、迷走神経」という意味になる。

 

二つの迷走神経は、それぞれ通る場所と働きによって「腹側迷走神経」「背側迷走神経」と呼ばれている。

 

背側迷走神経は、進化の過程で、三つの神経の中で最初に生まれた一番原始的な経路。

生命を脅かすようにストレスに際して、硬直するという生理反応を司る。(例 蛇に睨まれたカエル)

 

一方腹側迷走神経は、進化の過程の最新の経路。安全を感じ、他人と社会的な関係を築きたいという生理反応を司る。

 

そしてストレスに際して、戦うか逃げるか、という行動に駆り立てるのが、交感神経だ。

 

古い自律神経のモデルをシーソーに例えるなら、ポリヴェーガルのモデルはハシゴだ。

 

このハシゴのどの高さにいるかがその人の心身の状態を決めるというのが、ポリヴェーガル理論における人間の見方になる。続く

 


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