再び働きはじめた


酔っ払いが酔いを自覚するには事故るしかない。ということで「事故る」を抱負にした2019年、順調に事故っている。

それ系の自己啓発本でその気になって仕事を辞めたのが1月の終わり。 「イエー!好きなことだけして生きていくぞ!」とかワクワクしていたのも最初の1ヶ月、あとは気分が落ちていく一方だった。

24時間好きなことができるけど、それをやったところで、それが将来どうにかなる保証はどこにもないし、誰もしてくれない。その恐ろしさに、朝、目が覚めても「おりゃーーー!」とか気合を入れないと布団から出られなくなった。

さらに実家でニートという罪悪感か、何をやっても楽しくない。菜園をいじっても、大好きな松本へ出かけても、心が弾まない。時間はいくらでもあるのに、何もやる気が出ない。無駄にスタバに行って、ずっと意味なくネットを見たりしていた。

自分以外の全ての人が立派に見える。気づけばネットで、若くして病死した人とか、自分より不幸そうな人の記事を探しまわっている自分がいてヤバいと思った。

いよいよ精神的にしんどくなってきたので、再び働きはじめた。今度は八百屋さんだ。

ニートが長かったので、働きはじめは精神的にとてもしんどかったが、一週間もすると充実感を感じている自分がいた。新鮮な野菜を荷台に積んで原付で甲府の街を疾走していると「俺、今、役に立ってるな〜」と思えて、何ヶ月かぶりの爽やかな気持ちになった。

そうなると面白いもので、仕事の後や休日に、菜園やギターをいじるのも、急にまた楽しくなってきた。



去年頑張りすぎた反省から「頑張らないぞ」と決めたのだが、今度は頑張らない事に固執し過ぎていたなと気付いた。その結果、心が腐っていった。

両極端の二者択一で板ばさみになりがちだけど、大事なのはどっちを取るかより、自分の中のバランスだと思った。

世間では当たり前のことかもしれないが、アホなので、体験しないとわからない。