逆立ち

発声練習と称して逆立ちを練習する謎の生活を送っている。

 

発声における首周りの重要さに気付き、よく声が響く首の位置を探すうちに、肩が凝り固まっていること、それが首の動きも邪魔していることに気付いた。

凝り固まってしまった原因は、使わなかったから。だとしたら使えばまた動くようになる。

という素人の推測で、肩を使うためにはじめてみた逆立ちだが、やってみたら想像以上にいい運動になっている。

 

「2本の腕で立つ」という正解から逆算して、腕のねじり方、骨盤の向き、背中の使い方など、色々意識しながら試行錯誤。

肩を使うという目的ではじめたものの、この試行錯誤それ自体が楽しくて夢中になる。

自重運動ではあるが、地球を持ち上げているような気持ちで行うと、あっという間に体がぽかぽかしてくる。石油も高くなったので、この冬は逆立ちで乗り越えようと思っている。

 

ヨガの先生に、逆立ちする時の背中の使い方を教わった。自分は生まれつき腰が異様に柔らかいので、いろいろな運動をするときに、つい腰ばかり使ってしまい、背中全体を使うことがおろそかになっていた。しかも生まれつきのことだったので、そのいびつな体の使い方に気付けなかった。

 

逆立ちが、その背中を使ういい練習になる。そして、この背中の使い方が、そのまま声の出し方に繋がるとは、やる前は想像もできなかった。逆立ちする時の意識で背中の力を使うことで、今までより一層、喉に力を入れることなく、響く声を出せるようになった。期待していなかった発見だけに嬉しい。