人間は、「◯◯しない」という動作はできない

どういう意味か?

楽器演奏などの、体を上手に使うことを要求する趣味を持っていると、そのことが、理屈ではなく、体のレベルでわかる。

楽器に限らず、上達のコツは、余計な力を抜くこと。つまり脱力だ。

力を抜くだけなんだから簡単そうなものだが、やってみると、これが実に難しいことがわかる。

なぜなら「力を抜こう」と意識した瞬間、同時に抜こうとした部分に意識がいくわけで、そのことで逆に力が入ってしまうからだ。


これが「しない」という動作はできない理由だ。


ではどうすればいいのか?答えは別の場所を意識することだ。

例えばピアノを弾いていてどうしても手に力が入ってしまう。そんな時は肘の動きを意識する。動きの主が、手から肘に移ることにより、手は従になり、結果的に余計な力が抜けてスラスラ動くようになる。つまり脱力は「する」ものではなく、結果的に「起こる」ものと言える。

 

少食断食もそうだ。「食わないぞ」と意識した瞬間に、潜在意識では食べることを意識しているわけで、その時は我慢できても、遅かれ早かれ必ず潜在意識の逆襲を受ける。


ではどうするかというと、食べないことではなく、自分は何故食べないのか、その目的の方に意識を向けることだ。


食べ方を改めて寒さに強くなり、プチプチハウスから脱出したい。衣食住をシンプルにして、エネルギー(体力、時間、お金)に満ちたい。満ちたエネルギーで自分にも他人に優しくなりたい。


そういった目的だけを意識していれば、「食べない」という行為は我慢ではなくなり、自分がやりたくてやっていることに変わる。

やったことないけど、ダイエットの秘訣も多分ここらへんにあるのではなかろうか。

 

そんなことを書こうと思っていたら、昨日図書館で借りた甲田先生の講演録、冒頭からまさにそのことを語っていて、甲田先生に後押しされているような気持ちになった。
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