木のポーズ

独学の1番の危険は「できてるつもり」になることだ。

「できてるつもり」とは単に「できてないことがわかってない」だけだ。

それなのに当人はできていると思っているので、できてるつもりでいる限り、本当にできるようになることは永遠にない。



その点、難しい体位は、一人でやっていても、できないということがあからさまにわかるので、やりがいがある。


木のポーズがどうしてもできなかった。「バランスをとって」と言われても、どうすればバランスを取ればいいのか分からない。

試行錯誤するうちに、コツは腸腰筋が伸びることではないかと気づいた。


具体的な目指す状態がわかれば、あとはそうなるためにはどうしたらいいのか、片っ端から体の使い方を試してみる。


方程式の解き方がわからなくても、片っ端から数字を入れていけば、いつかは解に辿り着く。そんなイメージ。



様々試行錯誤しているうちに、現時点で「バランスをとる」とは、「脇腹を緩めて、骨盤と肋骨の角度を、腸腰筋が伸びる位置にセットすること」を言っているのだと理解した。

このように、理屈がわからないと動けない。これは皆がそうなわけではなく、自分の性分なんだと最近気付いた。


でははじめから理屈を教わったらよさそうなものだが、それはそれで「わかったつもり」になる危険性が潜んでいる。

それに、理屈を導き出すまでの過程が面白いし、自分の体で見つけたときの感動こそがお稽古ごとの醍醐味なのである。