股関節の位置

はじめての機材を使う時に説明書を読んだかどうかで使いこなし度が全然違うように、体にも、知ってるだけで動きが変わる、説明書的な情報がある。


腸腰筋を使うために、以下の二つの情報は大変役に立った。



一つは腸骨筋のつき方。寛骨から股関節の裏側に内側から回り込むように、捩れるようについている。(図はググってね)

なので腸骨筋を伸ばそうとするなら、その筋肉の付き方をイメージして、股関節が内側に捻れるような意識をすると、真っ直ぐ伸びる。

真っ直ぐに伸ばそうと意識しても伸びない。しかし捻ると、腸骨筋の伸びは脚を伝い足裏まで真っ直ぐ伝わる。思考は二次元だが体は三次元ということを実感する。

この意識有る無しの違いは、股割り開脚をしてみればすぐわかる。



もう一つは股関節の位置。

鼠蹊部、コマネチのラインにあるという大雑把な認識を、寛骨の横幅を二等分した真ん中にある、ともう少し細かい認識に改めたら、断然どこにあるかを意識しやすくなった。この認識のあるなしで、日常の立ち居振る舞いまで変わってくる。





この二つを意識して四股を踏む。

軸足の腸骨筋からの内捻りの力が脚を伝わり、土踏まずのアーチに到着する。軸足と地べたが繋がったら、そのまま逆の脚を持ち上げる。


軸足の内捻りの力を逃さないようにしながら反対の脚を上げる試行錯誤をするうちに、脚を上げる際、軸足の方の脚の付け根を鼠蹊部にもう一段めりこますような体の使い方に気づいた。内捻りの力を感じたままめり込ますと、ぐんと安定感が増し、脚もよく上がる。鼠蹊部がよーく伸びて、とても気持ちいい。立ったまま股割りストレッチしているみたいだ。



脚の付け根を鼠蹊部にめり込ますと安定感が増すということはつまり、股関節の位置は、今まで自分が思っていたより奥にあったのだ。

それが証拠に四股を踏んでいても前のめりにならなくなった。

起き上がり小法師みたいに、スイっと元の姿勢に戻れる。

この感覚に気づいてみると、今までの自分は、変な場所に重心がついている起き上がり小法師みたいなものだった。そりゃ立ってるだけで疲れるわって感じ。