肩甲骨でギターを弾く(左手編)

ギターを弾く時、押さえたいフレットは上下左右いろんな方向に存在する。しかし、指の関節は、一つの方向にしか曲がらない。ここに指でギターを弾く限界がある。
じゃあどうするかと言えば、肩甲骨から左腕を動かせばいい。肩甲骨は筋肉だけで繋がって肩に乗っかっているだけの自由な骨なので、いろんな方向に自由に動く。

フレット移動の仕事は自由に動く肩甲骨に任せて、一方向にしか動けない指は、目の前にある弦を押さえて、離す、という単純労働に従事させるのが、適材適所。

ただ、自由な肩甲骨も、周辺の筋肉が凝り固まっていると、全然自由に動かない。
ここが凝っている人が多いことは、世間に肩甲骨メソッドが溢れていることからも推測できる。
実際自分もガチガチだった。そして長年ガチガチで、自分がガチガチだということもわからなかった。

ギタリストなら肩甲骨を開発する価値は十分にある。というか、肩甲骨が固まっていたらギターなんて弾けない、とすら今は思う。


肩甲骨が使えると、演奏の質が全く違うものになる。
しかし肩甲骨の働きは、外からは見えない。
なので、自分のような凡夫は、目に見える指の動きの方を真似していた。
当然上手な人と同じようには弾けない。結果、才能の違いかと諦める。

確かに才能の違いだったら持っていない自分は諦めるしかないが、肩甲骨だったら自分も持っている。こんな希望のある話はない。