根菜揚げ焼きアブラマシマシ

といってすぐ粗食主義者になろうとするのがいつもの失敗パターン。極端に走ると、間違いなくリバウンドバカ食いが待っている。百戦百敗してきた実績があるので、自信をもって言える。今求められるのは、どちらの極端にも走らずに内臓の平静を保つ、第三の食べ方だ。それも具体的な方法でなくてはならない。「ほどほどに」とか言われてほどほどが何を意味しているかわかるくらいなら、はじめからそうしている。そんな追求の末に生まれたのが、以下のレシピだ。



「根菜揚げ焼きアブラマシマシ」

材料
根菜各種 好きなだけ
国産菜種油 たっぷり
自然塩 一番美味しく感じる量

�@根菜各種を同じくらいの大きさに切り揃え、油をぶっかける
�Aフタ付きの鍋に入れ、焦げ目がつき、火が通るまで弱火で放置
�B塩をかけて食べる。




以上。蒸すのが定番だった根菜を、雪の華歌舞伎揚げを食べまくって導き出した美味しさの公式「油+甘いorしょっぱい=うまい」で調理してみた。例によって自分の料理の腕を信用してないので、なるべく手をかけないことを心がけた。

コツは2つあって、一つ目は、脱ジャンクなだけに調味料にこだわること。油は圧縮絞りによる国産菜種油、塩は、微量栄養素豊富な自然塩を使う。

二つ目は、油をたっぷり使うこと。ジャンクフードに勝る満足感は得るために、ここを思い切る。

今回とりあえず、かりんとうひと袋バカ食いしたとして、40グラムの油をかけてみた。お菓子だと無意識のうちに軽く摂取する量だが、試しに実際計量してみると、今まで一回の食事で使ったことのなかった量で、ちょっと引いた。

そうして、半分揚げるような気持ちで、蒸し焼きにする。表面に焦げ目がつき中まで火が通ったら、塩をかけて、油をまぶし、皿に盛る。

塩も、一番美味しいと感じられるまでかける。かけすぎると美味しくないので、味覚を頼れば塩分とりすぎになることはない。減塩とかは一切気にしない。また気にしなくてもいいように、各種微量栄養素豊富な自然塩を選ぶ必要がある。

そんな理屈ありきの料理だが、実際食べると、理屈以前に、とにかくうまかった。
そのままで美味しいような素材を、なるべく俺の手にかけず調理するのだからうまいのは当たり前だが、今までの自分の常識では考えられなかった量の油が、入れた分だけちゃんと美味しさに貢献していることを感じられる、未体験のうまさだった事が嬉しかった。
濃縮された野菜の旨みそのもののような甘味は蒸すのと同じだが、焦げ目のチップス的な食感と香ばしさは、揚げ焼きならでは。そして油のコクによる食後の満足感が半端ない。十分ジャンクな衝動を満たしてくれた上に、当日翌日共に「おやっ?!」って思うくらい、もたれなかった。それが証拠に美味しいさのあまり数日続けて作ってしまったが、食べる毎に美味しい。お正月の餅を入れてもうまい。簡単でうまい。よく考えたら、その都度お菓子を買うより安上がりだ。デメリットがない。今までなんでやらなかったのかしらって位である。定番になりそう。

第三の道、カギは油にあった。長年体に悪いと思っていた油。それは単に悪い油しか知らなかっただけで、いい油はいい、という話なのかもしれない。油との新しい関係を築けそうな予感。